第26無駄話  環境コラム@「物流と価格と環境」(04/08/16)
 

 

 私の実家は京都府は亀岡市という所にある。 また、私の所属する京都府立大学大学院、まあ、京都府立大学は京都市は左京区下鴨にある。夏休みなので、夏休みらしいことをしようと思って、大学から家まで自転車で帰ることにした。今回のコラムを書くキッカケはこの軽はずみな行動にあった。

 動機は電車賃を浮かせたかった

 京都市左京区から亀岡市という20q以上にも及ぶサイクリングの旅を決意した動機は電車賃を浮かせたかったということにある。大学から私の実家の最寄り駅までは往復で1.000円を こえる。結構な金額である。この電車賃を浮かせることと、夏らしいこと、サイクリングの目的が合致したから、行った訳である。
 結果として大学から家まで5時間以上の時間がかかった。道をちゃんと調べなかったために、途中大規模に道に迷ったりしたために多くのロスは生じていたものの、かなりの時間を費やした。その時、実感として感じたことは亀岡と京都は決して近くない。近く感じているのは全てJRのおかげであり、電車賃は決して高くないということであった。電車では家まで1時間くらいしかかからない。4時間は早くつく訳で、その時間を労働なりに当てれば問題ない。
 また、上記のこととは別に、何故か、「光速に達すると時間が止まる」ということもなんとなく分かった気がした。頭も疲れていただけなのかも知れない。
 このサイクリングの旅は、私自身の身体には悪かったかもしれないが、環境にはやさしかったと思われる。また、途中でどうしても限界だったので、缶ジュース120円を買ったが、電車賃も浮かすことが出来た。 その道中に考えたことをまとめてみよう。

 物流について

 私自身を運んでいる時に考えたことは、「物流」の大切さである。峠を越えている時、保津川を見ている時に思った。電車がなかった時代は、人力で物資を運んでいたはずである。いまでこそ観光になっているが、保津川下り も昔は、切り出した木材を運んでいたものだった。私が運んでいたものは、研究室に置いていた週刊少年ジャンプとその他もろもろであったが、これがもし、商品、野菜等であったならば、全然労力に見合わないなと 思った。電車賃は決して高くない。
 さて、物流について考える。スーパーに行けば日本各地から取り寄せられた野菜がならんでいる。京都にいて長野のキャベツを買うことが出来るのは、物流のおかげである。長野からトラック等で京都に運 ばれているから、買うことが出来る訳である。自分自身が移動の大変さを感じると、何かを運ぶという仕事は非常に大事な仕事であると感じた。

 輸送費について

 さて、スーパーで並んでいる野菜には値段がついている。野菜などは季節によって値段が変わってくる、内訳は分からないにしても、値段の中に輸送費というものが含まれているはずである。
 以前に書いたダイエットコラムと重なってくるかも知れないが、私は安い食べ物を選択するようにしている。ただし、何でもかんでも安いものを選んでいる訳ではなくて、食品添加物なんかにはかなり気を使っている。
 物流と価格を考えた場合、当然、遠方の物ほど価格は上がると思われる。同じキュウリでも、他府県で取れたものより、京都で取れたものの方が輸送費のことだけを考えた場合安いのではないだろうか?トマト等も北海道で取れたものより、京都で取れたものの方が安かったと思われる。ただし、野菜 は産地によって、いわゆる、ブランド化をしているものがあるので、運搬費以上に価格に影響する所はあると思われる。京野菜なんかは、京都で取れているが、その特殊性により値段が高い。
 野菜の値段に占める輸送費というものはどれくらいなのだろうか?

 物流と価格について

 前述の通り、輸送費のことを考えると遠方の物ほど価格は高くなると思われるが、その他の因子のために単純に「遠くの物ほど高い」という公式は当てはまらない。その最たるものは輸入食品であると思われる。
 私は安くジャムを食べようと思って、貰い物の果物や買って来た果物でジャムを作っていたのだが、どう考えてもそれよりも安いジャムに出会った。それは神戸物産の 事業展開の一つ、業務スーパーで売られていたもので、私は西院店で出会った。物はイチゴジャム900gで値段は188円であった。イチゴ自身が高いから絶対に自分で作って太刀打ち出来る値段ではない。このジャムに出会ったことで、私はジャムを作る目的は、貰い物の果物を有効利用するということぐらいで、自分で材料を買ってまで作ろうという気持ちはなくなった。
 さて、前述のイチゴジャムであるが、原産国はエジプトであった。値段の安さはこの辺りとしか考えられない。成分を見てみると保存料の類は入って いなかった。元々、ジャムが保存を目的に作られている上に、ビンに詰まっているので保存料等は必要ないのだろう。また、注意書きに「開封後はなるべく早く食べてください。」、「冷蔵庫で保存して下さい。」と書いてあったので、保存料に関しては大丈夫なのだと思われる。
 値段の安さがエジプト産であることに起因しているなら、その値段の内訳が非常に気になる所だ。材料費、人件費ともに日本よりは安いのであろう。では、輸送費はいくらかかっているのか?エジプトから日本に運ぶ費用が値段に入っているはずである。しかし、その値段を考えても、日本国内で作られたジャムより安いとは驚きである。内訳が非常に気になる。
 話を海外まで広げると非常に分かり易いが、運搬費以上に安いものは存在する。それは世界経済のレベルで考えるまでもなく、物価や人件費が安い所で作られたものは、当然、安いという訳だ。食べ物に限らず、日本には海外からの安いものがゴロゴロとしている。

 環境について

 環境について考える。単純に安いものを買うことだけを考えれば、海外からの安い輸入品を買えば目的は達成される。国内でも、輸送費以上に安いものを買えば良いわけである。
 しかし、輸送を行っている時点で、いくら値段が安いとは言え、なんらかのエネルギーを使っている訳である。トラックや船を使えば、二酸化炭素を排出して運んでくる訳である。環境のことを考えるならば、値段とは関係なく自分の住んでいる所からなるべく近い産地のものを買うべきである。
 地産地消という言葉がある。地域で生産された物を地域で消費するという考え方である。京都に住んでいるならば、京都で生産された物を食べようという考えである。地産地消の意義はいろいろあるのだが、ここでは環境問題に重点を置いて考えてみたい。遠くの物ほど、輸送に関するエネルギーが使われるわけだから、環境のためには価格とは関係なく地域のものを食べたほうが地球環境に優しいのである!みんな、地域のものを食べよう!
 …と言ってしまえば、正論であり、すばらしい考えであると思われるが、価格というものは非常に重要である。私自身が、船で運ばれていることを承知の上でエジプトのジャムを買ったように、安いものは需要がある。BSEの関係で最近は振るっていないが、牛丼が安く食べられたのも、日本よりも輸送費込みで安く買える牛肉が存在しているからである。
 環境は非常に大事である。しかし、それと同じくらい自分も、自分の懐も大事である。いくら環境に良いとは言っても、そのために高いものを買うかどうかは、購入者の判断である。
 食べ物は金額的に低いところでの論争なので分かりにくい、というか100円レベルでの話になるので実感しにくいかもしれない。そこで、私の専門の林学で考えてみる。輸送のこと等をひっくるめて考えると、日本産の木材を使って家を建てたほうが環境に良い。また、日本の林業を考えた場合、日本の木材を使うということ自体に意義がある。しかし、金額のことを考えると、とても個人では払いきれないくらいの金額になる。それだけ日本の木材は高い。

 物流と価格と環境について

 物流と価格と環境について考えた結果、私はどれも取れない状態に陥った。環境のことを考えた場合、少々値段が高くても国産のものを買うべきである。しかし、まだ私には値段の安いものも必要である。また、日本の中でも、食べ物がトラックで輸送されている仕組みは私一人ではどうすることもできない。そもそも、物を運ぶ仕事の意義を感じてしまった以上、それを否定することも難しい。
 食べ物や価格、物の移動、環境について考えた結論として考えたことは、真に環境にやさしい生活をするためには、お金がないと達成できないと思った。太陽光発電もエコカーも値段は高い。勿論、お金をかけないで出来る環境に配慮した行動もある。
 環境を悪くすることで成り立っている日本の社会に生きている以上、それを脱するためにはお金が必要である。問題はある程度のお金を得たところで、私自身が環境のために使いたいか?という所であり、ジレンマである。太陽光発電やエコカーよりも欲しいものややりたいことが沢山ある。

 まとめ

 結局の所、京都市〜亀岡市のサイクリングはキッカケでしかなく、道中に考えたことは確かであるが、内容は以前からなんとなく考えていたことである。キッカケとして重要だと思われることは、移動することの大変さを実感として感じて、物流について考えたからである。
 また、環境のことを考えたコラムであるが、「環境を守ろう!」という考えにいたっていない。環境を守るためには、どうするべきは明確なのであるが、そうそう達成できるものでもないと思う。結局の所、自分の出来る範囲のことをするしかなく、前回のコラムと被っているが、我慢できる範囲でクーラーは使わないでおこうと思った。お金という側面でも、個人では抱えきれないくらい、環境問題というものは大きい。

 

 

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