第27無駄話  「インターネット不死者」(04/09/02)
 

 

 最近、ダイエットとか環境とかそんなことをコラムにすることが多かったので、インターネット、デジタルなことを書いてみようと思った。興味がそちらに向きだしたということもある訳だが。
 今回、テーマにするのは、存在情報というもののデジタル化である。
 人間の存在している情報がどこにあるか?魂はどこにあるのか?魂とはなんなのか?というのはよく議論されることであると思われるが、今回は存在情報は脳に存在しているという前提で書いてみる。そして、その存在情報をデジタル化出来れば不死を得られると思われる。また、存在情報の再現という観点でも考えてみる。
 この前文を読んで、分かると思われるが、やはり、攻殻機動隊銃夢、マトリックス辺りの影響を多分に受けています。これらの作品の影響力は、私にとって強いです。

 先ずは物質面からのアプローチ

 現段階で不死を得るために一番に考え付くのは、クローン技術を応用したものではないだろうか?脳に存在情報があるならば、脳を移植し続けて行けば、脳の寿命の限りは行き続けることが出来る。しかし、自分とは別の身体に移植するのは、免疫反応の問題等があってやっかいである。
 それならば、倫理的な問題はあるのだが、自分の遺伝子から脳の入れ物である体、素体を作り出し移植すれば免疫の問題はクリアされるはずである。しかし、結局の所、どれくらい人格や意識というものに脳が支配しているかは分からない所がある。例えば、心臓移植を受けた人が、臓器提供者の意識が夢の中で表れたという話をTVで見た。原因は、心臓にも脳に似た神経のネットワークが存在しており、臓器提供者のそれが影響したのではないかということである。脳以外に、影響する因子があるのであれば、例え自分の身体であったとしてもどれくらい影響してくるかは、やってみないと分からない所だろう。
 また、将来的にそういう実験が行われるのか?すでに行われているのか?分からないところだが、何にしろ、倫理的な問題をクリアするのは難しい。脳が魂とするならば、人間が脳をいじくって良いのだろうか?

 物質面から存在情報の再現

 脳をただの物質、原子、分子の集まりだと考える。
 脳にも寿命があるとするならば、脳を複製することは、不死を得るためには必要なことであると思われる。しかし、これは、おそらくクローン技術では達成できない。なぜなら、同じ遺伝子から脳を作ったとしても、それは同じ遺伝子から作られた脳であって、同じ情報を持っていないからである。同じ遺伝子を持つ双子でも、考え方に差異があるように、遺伝子が同じと言っても、同じ情報を持つ訳ではない。
 では、脳をクローンし、複製元と同じ情報を与えてやれば良いのかも知れないが、そんな方法があるのだろうか?脳の持つ情報は複製元が生きている間に起こったこと全てなので、それを再現するのは不可能に近いだろう。
 そこで、脳を物質と考える。脳の持つ情報はニューロンからなる神経のネットワークであると考えられるので、複製元の脳をスキャンして、それを元に原子レベルで再構築してやれば、物質的に同じ脳が出来上がる筈である。それに神経ネットワークの働く形、つまりを身体を与えてやれば、存在情報の再現が出来るのではないだろうか?最も、脳単体ではなく、なんらかの形で肉体からのフィードバックがあるはずだから、全く同じであるかは分からない所である。脳内のホルモンの分泌等は脳だけが支配しているのだろうか?
 また、原子レベルで物質を組み立てるには高度なナノテクノロジーが必要である。脳が再現できるまでナノテクノロジーが発達すれば、脳だけでなく、肉体ごと再構築することが出来るのではないだろうか?そうすると、物質的に全く同じ人間が同時に存在することも考えられる。
 何にしろ、倫理的な問題はあるにしろ、クローン技術とは異なったアプローチである。しかし、人工ビタミンと天然ビタミンでも身体に及ぼす作用が若干違うことを考えると、物質的に同じでも何か違うのかも知れない。もっとも、それはナノテクノロジーの発達の途中の段階ではあると思うが。 

 デジタル面からのアプローチ

 実際、物質面からのアプローチには、やはり、倫理的な問題が存在し、また、研究の段階で多くの失敗が起こると思われる。そこで、倫理的問題を気にする訳でもないが、デジタル面からのアプローチを考えてみる。主にシミュレーションである。

 かなり大雑把な方法

 脳を物質と考え、原子レベルでシミュレーションしてしまう。神経伝達は電子の動きだから、電子レベルで行わなければならないか?大雑把に考えてしまうと、存在情報、人格、意識を再現するというよりも、電子の動きを含めて全てを再現してしまえば、存在情報を再現することは出来るのではないだろうか?最も、一秒という時間を再現するのにどれくらいの時間がかかるか分かったものじゃない。究極の仮想現実の再現だと思われるが、電気で動くコンピュータを使っている以上は限界がある。

 神経ネットワークの再現

 脳は有機体であり、肉体からのフィードバックは確実に存在すると思われるが、それらはある程度無視して、神経ネットワークのみに注目し、それを再現する。
 脳のネットワークは非常に複雑であるが、その構成単位であるニューロン単体は単純である。実際、ニューロンのネットワークをプログラムで再現するという動きはあり、その関数モデルは色々な分野で応用されている。株価の予測にも使われているらしい。
 ニューロンの刺激伝達は、受けた刺激がある程度の閾値を越えると次のニューロンに伝達されていく行くと言う仕組みである。誤った解釈であるかも知れないが、辛いと感じるのは、舌で受けた辛さが閾値を超えたからである。同じ経験をしても人によって違うのは、神経伝達の閾値が異なっているからであると思われる。
 そのニューロンの複雑なネットワークと閾値を丁寧にモデル化してやれば、存在情報を再現出来るのではないだろうか?最も、肉体レベルまで高めるためには技術を高めるしかないが、仮想人格やAIの開発に役立つかも知れないし、実際に研究されているだろう。
 肉体にからめるとするならば、コンピュータ上で再現したニューロンネットワークをモデルとして、脳に情報をインストールする。もしくは、それに基づいて脳を構築することが出来るかもしれない。しかし、肉体を与えるということは非常に恐ろしいことである。何が起こるかわからない。

 意識や人格について

  脳の働きが、神経のネットワークによる刺激の伝達であると考えるならば、殴られて「痛い」と言うのも、おいしいものを食べて「おいしい」と言うのも、刺激を受容する肌、舌があり、反応を声という形で出力する口があるからである。では、意識や人格というものも脳のネットワークによるものだと考えれば、「自分が自分である」という意識や人格というものを感じているモノは一体何なのだろうか?刺激に反応するネットワークを人間という肉体が持っているから人間だと思えるのだろうか?では、神経ネットワークだけを再現したとして、そのネットワークの作り出す意識や人格というものは、そのネットワークにしか感じることしか出来ないのではないだろうか? 
 では、コンピュータで作り出したネットワークに刺激の受容する目、耳、鼻、下等々の代わりになるセンサーと反応を出力するスピーカーを与えたとして、それは人間らしくなるのだろうか?

 簡単に出来る存在情報の再現

 存在情報の再現、不死の獲得に対する物質面、デジタル面からアプローチはどちらも現時点では技術的に不可能なことである。そこで簡単に出来る存在情報の再現を考えてみる。
 例えば、YES、NOで答えられる2択形式の問題を100問用意する。答えの組み合わせは2の100乗で1267650600228229401496703205376という桁数を数えるのも嫌になる組み合わせになる。現時点での人類の数を遥かに超えている。その100問の回答というのも組み合わせの膨大さから考えれば立派な存在情報となり得るのではないだろうか?結局の所、アンケート調査である訳だが、選択肢の数と問題数を増やせばかなり詳細な存在情報と成り得ると思われる。
 また、神経ネットワークは複雑で、人によってかなり違うと思われるが、人類の共通部分であろうと思われる部分を考慮した上でモデルを構築し、簡単な、でも膨大な、アンケート結果によって閾値やネットワークの細部を調整すれば、存在情報を考慮したネットワークモデルを構築出来るかも知れない。
 意識というモノはネットワーク自体にしか感じることは出来ないとしても、そのネットワークに刺激を与えると、反応を返してやる仕組みを作ってやれば、それは生命と呼べるかも知れないし、存在情報を残し、不死を獲得できるかも知れない。

 インターネット不死者

 生命が生命であることは、自己を複製し、自分のコピー及び自分とは少し違った子孫を残すことではないだろうか?
 
前項の膨大なアンケートを行わなくても、デジタルの個人の存在情報は、今この段階でも作成されていると思われる。それは、このコラムもそうであり、インターネット上のホームページであると考える。何故なら、ホームページに載っている情報、文章は個人が考えたことの集まりであるからである。コピー&ペーストを行えば簡単に模倣を行うことも出来る。
 神経ネットワークモデルの構築する際に、個人が持つホームページの情報を全てぶち込んでやれば、何か形になるかも知れない。そこまで話を大きくしないでも、良く使われる単語、言い回しというものを分析することは出来る。
 また、本人の写真を掲載している場合は、人相等の分析により正確というものもある程度、類型出来るかも知れない。情報分析というものが究極的に発達すれば、ホームページの情報から存在情報を再現することが出来るのではないだろうか?
 不死について考える。ホームページの情報はちゃんとバックアップを取っていれば、サーバが停止しても残るものである。さらに、信頼できるメディアに保存しておけば作成者がこの世を去った後にも残り続けるモノである。そして、その後に完璧ではなくても、なんらかのネットワーク、もしくは対話型のプログラムにでも変換すれば、不死を得たことにならないだろうか?会わせて、遺伝子や脳を保存しておけば完璧かも知れない。
 ネットワークという形で存在情報を再現した場合、それが生命でなければ、本当に不死を得たことにはならないのではないだろうか?自己を複製することはデジタルデータの場合、得意とする分野である。また、自分と違うものを複製したい場合は、作為的に乱数によるノイズを含ませてやれば良い。子孫を残すという場合は、誰かのネットワークと融合させてやれば良い。数式で表しているとすれば、合計して2で割ってやれば、平均という形で立派に融合されているのではないだろうか?
 またネットワークのという形でなくても、対話型のプログラム、もしくは情報の集まりであったとしても、その情報が誰かを影響させることが出来れば、不死を得たことになるのではないだろうか?つまりは模倣子で、遺伝子という形は残せないが、生きている間に作った知識の体系が後世に残れば、存在情報は行き続けることになると思われる。
ホームページで言うならば、閲覧した人が「へえ」と思えばそれで良い訳である。

 まとめ ネットワークを構築するとどうなるのか?

 存在情報というものをネットワークという形で再現したらどうなるのだろうか?もし、本人が死んだ後、再現したネットワークが意識を持つとすれば、考えようによっては未来永劫続く苦しみとも取れるが、肉体を失った意識というものは、ネットワークが不完全かも知れないということも考えても、また死を体験している訳だから、生前とは違う形であると思われる。それはある種、生まれ変わりかも知れない。違う肉体を持っている以上、違う生き物であり、再現元と何か似ている別の生き物と考えられるかもしれない。でも、それもやってみないことには分からないことである。

 

 

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