禁断症 第1話「出会い」 (04/06/21)


  俺は今セックスをしている。
 ベットの軋む音。身体と身体が衝突する音。時々、女が時々あげる声。部屋の中は、無機質な音で溢れている。女があげるのは、喘ぎでも呻きでもなく、声。意図的なものを感じる。俺を喜ばせるために発しているのが分かる。だから、俺も冷静に頭で理解して、ちゃんと反応する。性交渉とはよく言ったものだ。
 単純な運動を繰り返しているうちに、夜の、いや早朝の交渉は終る。10代の頃は時間を意識したことはなかった。出来なかった。ただただ、運動に伴う快感の奔流に身を任せていただけだ。そんなことをボンヤリと考える。
 「会社、行かなきゃ。」
女が甘い声でそう言う。
 「じゃ、ここ置いとくよ。」
 俺はそう言い。テーブルの上に五千円札を置く。一回五千円とかではなく、宿代と布団及びシーツの現状復帰の手間賃。初め、一万円の札を置こうとしたら、女が断った。俺が金を払う理由を話すと、五千円で納得した。女の考えることは、合理的なのか非合理的なのか分からない。女のプライドと他 の何かが格闘した上での金額なのだろうか?女は打算的だとよく言うが、計算式は全く不明である。女が生体コンピュータであるなら、人類がその構造を完全に理解するまで、後、数世紀は掛かるだろう。

 早朝の街は、世界に一人なのではないか?という不安を感じさせてくれる。新聞配達の男がその不安を奪い去っていく。まだ、通勤する会社員も、 通学する学生も街にはいない。俺と新聞配達員だけの街だ。歩きタバコも気にせず出来る。こんな俺だが、タバコのマナーを訴えたテレビCMまで登場するこのご時世、少しは気を使っている。自分の腰に背の丈が届かない者がいる時は吸わない。そこが喫煙 可能である場合は、話は別だが。
 出勤まではまだ10時間以上ある。家に帰っても寝る以外、することはない。他の女の所に行く気もしない。こんな時は家の傍にある公園に行くことにしている。ベンチに腰掛けて、何もしていなくても、何かしているように見える。そう、朝の空気を楽しんでいるように見える筈だ。
 タバコが切れた時、通勤・通学の人影が見え始める。そう言えば腹が減った。タバコは帰る途中に買うことにしよう。

 小学生、中学生、義務教育も大変だ。まあ、高校も大学も義務教育のようなものか。自販機でマルボロのライトを買う。セブンスターとマルボロ、ライトの繰り返しだ。誰かがテレビで、「軽いタバコを吸う奴の気が知れない。」と言っていたが、軽いタバコも悪くない。体にも良い。もっとも今は吸うわけにはいかないが。タバコのCMのようだと思う。
 学校に向かう小学生は元気そのものだ。俺もあれくらいの年齢の時は、何も吸わなくても、健全な肉体と精神を保つことが出来ていたのだろうか。一人でいるせいか考えることが多い。これは、もう、癖のようなものだ。だから、その時は 意識的に考えるのを止め、列を成す子供達を眺めていた。

 確かに瞬間があった。

 しばらくして、それを止められない自分に気付く。子供達の中に一人、何故か惹きつけられる女の子がいた。その女の子は楽しそうに学校に向かう友人達の輪から離れて、一人、寂しそうに歩いていた。こういうのが、「ベタ」な設定と言うのだろう。

続く?

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